温水洗浄便座に起因する事故

コラム

日本に観光に来た外国人が一番驚くのは、温水洗浄便座だそうです。
至れり尽くせりの機能があり、和式便器の時代とは隔世の感があります。
ただ、その温水洗浄便座が恐ろしい火災事故や漏水事故を招くことはあまり知られていません。

温水洗浄便座が原因の出火事故が近年、増加していると聞いています。

まずは火災原因について調べてみます。

原因1:ヒーター線の断線

冬場、便座を温めるために便座の100ボルトの電線が走っています。
そのような高圧電化製品であるにもかかわらず、絶えず同じ動きで開閉を繰り返すため断線することがあります。

原因2:外部コードの漏電

温水洗浄便座は複雑なコードやモーターが絡み合った電化製品です。
しかしながら便座面より下部が利用者からは見えにくいためコードがねじれていたり、踏まれていたりして、断線や漏電の原因となります。

原因3:ひび割れからの漏電

温水洗浄便座の周辺には便器のたまり水や、尿などの水分が常にあります。
ごく微量の水分でも継続的に配線等にしみ込んだ場合には出火の原因になります。

温水便座は水道と直結しているため、漏水事故が多く発生しています。

つづいて漏水事故について調べてみます。

通常の使用状態は、水道管が開いた状態です。万が一、設置ミスや破損が発生した場合、利用者がトイレを出た後では、大きな漏水事故となってしまいます。

特に、外出中や夜間には発見が遅れ、被害が一層、拡大します。

原因4:素人工事

ネットをみますと、「取付は簡単!業者に依頼した場合に比べて〇万円お得!」といった記事がたくさん出てきます。
ただ、高機能温水便座は極めて複雑な精密機器にも関わらず、普段、電化製品の修理等を全くされていないなど素人の方が作業をしてしまいます。

原因5:ジョイントの劣化

温水洗浄便座には給水ホースを接続するために、ボルトやナットのつなぎめがあります。
そこに継続的に振動が加わるため、ボルトやナットが徐々にゆるんでしまい漏水の原因となってしまいます。

〔火災や漏水を防ぐ対策〕

1.古いものは使わない(寿命はメーカや商品にもよりますが約10年とのことです。)
2.便座は異様に熱いとか冷たいとかは故障のサインですのですぐに使用を中止する。
3.素人工事はしない(高機能、周辺は水が常にある、常に振動がある等、事故が起きやすい環境にあります。専門業者に任せた方が安心です。)
4.常に見えにくい下部をチェックしてコードを踏んでいないか、微量な水漏れがないか等確認する。

温水洗浄便座は世界に誇る日本の電化製品です。
気持ちよく利用するためにちょっとした確認や対策を取りましょう。

ブログネタ