水まわりの事故

コラム

賃貸住宅にお住まいの方が加入している火災保険(家財保険)で事故と言えば火事を連想される方が多いかと思いますが、
実際に多く発生しているのは「水」による事故です。


水は火傷もケガもないためあまり恐怖を感じませんが、一たび漏水となると、階下に、さらにその階下へと、静かに水が流れていき、気が付いたら、
加害者として多額の賠償金を請求される事故に発展することがあります。
この時役に立つのが火災保険にセットされている個人賠償責任保険です。

今回は、「水」による事故を〔場所〕や〔原因〕別に分類し、その対策をご紹介します。

1.台所

(1) 排水口を食器等が塞ぐ
気づかないうちに皿などが排水口をピッタリ塞いでしまい、さらに蛇口をしっかり締めないで放置した場合、水がどんどん溢れて階下に漏水となってしまう場合があります。
(2) 排水管を油等が塞ぐ
天ぷら油などを直接、排水管に流す方はあまりいないと思いますが、プライパンや皿に残った油、マヨネーズをそのまま洗剤で洗い流す方はたくさんいます。この場合、排水管に少量ですが油が残る場合があります。これがほぼ毎日となりますと、次第に固く変質し、やがて排水管を塞ぐことになります。
【対策】
・シンクに物を溜めまいこと。
・フライパンや皿の油は紙で拭いてから洗う。
・月に一度は市販の専用クリーナーで排水管をきれいにする。
ただし、素人が専用器具を挿入して排水管内部の清掃をするのはかえって危険なので、
特殊な洗浄等は専門業者に任せる。

2.トイレ

(1) トイレットペーパーが詰まる
トイレットペーパーは水に溶けるように作られているのですが、一度に大量に流すと排水管を塞ぐ可能性が高まります。
(2) トイレ掃除を怠る
尿は放置すると尿石という石のような物質に変質し、排水を妨げることにつながります。
(3) 異物を流す
おむつ類、化粧品等の紙箱、ネコのトイレ砂などをうっかり流してしまう方がいらっしゃいます。
【対策】
・一度に大量に流すのは危険なので、複数回に分けて流す。
・マメに掃除をする。
・トイレに流していいのは排泄物と少量のトイレットペーパーだけと、小さな子供にも教える。

3.風呂、洗面所

(1) 髪の毛や汚れが排水口、排水管を塞ぐ
人体から発生する脂や汚れが堆積するとそこに雑菌が発生し、ぬめりが生じます。
風呂場のゴミに髪の毛はつきものなのですがさらに悪いことに、長い髪の毛はこのぬめりに絡まりやすく、排水口や排水管を塞いでしまいます。
(2) 衣類などのつけ置き洗い
洗面ボウルでブラウスなどの衣類をつけ置き洗いをした際に、蛇口をしっかり締めないことで漏水事故となってしまう場合があります。
【対策】
・風呂の排水口には必ず専用ネットをつけ、髪の毛やゴミの排水管流入を防ぐ。
・排水管も月に一度は市販の専用クリーナーで掃除する。

【総合的な対策】
・「その場」を離れる際は、水を確実に止めましょう。
・災害防止の観点からも「水回りの掃除」を心がけましょう。