キャリーバッグによる人身事故と個人賠償責任保険

コラム

自転車による人身事故が大きな社会問題となって久しいですが、キャリーバックによる人身事故も利用者が増えるにつれ増大しています。
これまでは携行できなかった重い荷物を運べるので大変便利ですが、その一方で、手提げかばん以上の大きな荷物、そして自分の体力で管理出来ない重い荷物を管理することに注意が必要です。

 

実際に発生した事故例をご紹介いたします。

〔事故例1〕

会社員のAさんは奥様とお子さん2人を連れ旅行に行かれました。
4人分の荷物になりますのでキャリーバックを利用されました。
駅の構内でのこと。子どもに気を取られたAさんは、よそ見をし、誤って、前を歩いていた、ご老人の杖にキャリーバックのコマを引っ掛けてしまいました。
ご老人は前のめりに転倒、顔からうっぷすような形となり鼻骨と歯を折る大怪我をされました。
当然に旅行は中止。救急車に同乗されることとなりました。
ほんの僅かな不注意で旅行は台無しとなり、半年後、賠償額は後遺障害や慰謝料を含めて約80万円の結果となりました。
手提げカバンであれば、荷物もコンパクトにし、夫婦で手分けして運ぶことでこのような事故にはつながらなかったかもしれませんね。、

〔事故例2〕

自営業のBさんは地元の法事に出るため、キャリーバックを引いて空港に向かわれていました。地元への土産にワイン等の重量物がたくさん入っていたそうです。
空港の上りエスカレーターでのこと。エスカレーターでは、Bさんはいつもキャリーをご自身の前において異動されていましたが、いつもよりキャリーが重かったため、つい、ご自身の後ろのステップにキャリーを置いて前方を見ておられました。
そこで飛行機チケットが気になったBさんはキャリーの取っ手を不注意にも離してしまい、キャリーはそのままエスカレーターを転がり落ちました。
キャリーは他の観光客2人を直撃、2人はともに足(脛や膝)の骨を折る大怪我をされてしまいました。
当然に地元への帰省は中止。半年後、賠償額は後遺障害や慰謝料を含めて、約200万円の結果となりました。
昔なら、重くて運ぶことが出来なかったものをキャリーバックであれば運ぶことが出来るようになったのですが、階段やエスカレータでは思いもかけない力が必要となることも忘れないようにしたいですね。

キャリーバッグ使用の上で注意したい点

人混みを我が物顔で駆け抜ける重たいキャリーバックは静かな凶器となります。
・人混みではキャリーは自分の横に地面に垂直に立てて、斜めに引っ張らない
・上りエスカレータではキャリーは自分の前のステップに置いて、下りエスカレータ
では自分の後ろのステップに置いて、取っ手からは絶対に手を離さない

ほんの小さな不注意で他人様に大きな痛みを与え、ご自身も自責の念で苦しむことになります。
くれぐれもご注意下さい。