共同住宅での全自動洗濯機からの水漏れ事故

事故の防止策

1960年(昭和35年)に三洋電機が発売し、洗濯機の普及に大きく貢献したのが「二槽式洗濯機」です。洗うための水槽と脱水を行う鉄の籠に分かれている構造でした。その後、洗いとすすぎの工程を自動で行う「全自動二槽式洗濯機」が発売され、当初26%だった洗濯機の普及率は、わずか3年後の1963年(昭和38年)に50%を超え、10年後の1970年(昭和45年)には普及率が91%になったそうです。ところが、現在は、洗濯とすすぎ、そして脱水まで全自動で行える「全自動式洗濯機」が登場し、近年では、洗濯機のほとんどが「全自動式洗濯機」です。
つまり、全自動でない洗濯機を知らない世代も多いと言えます。

事故例1

全自動ですが、全自動であるがゆえに、水道の蛇口は開かれたまま、洗濯機がその水量をコントロールする構造となっています。つまり、洗濯機が水道の水を止めたり、出したりしている訳です。
そして全自動洗濯機の蛇口のハンドルやレバーを開けたまま(吐水- ONの状態)にしているお宅がかなり多いのが現状です。
このような状態では水道と洗濯機をつなぐパイプには常に高い水圧がかかっていることになります。
何かの拍子にパイプが外れた場合には、水道からの流水量が大きいため、大きな損害に繋がります。

 

事故例2

また、たとえば洗濯パン(洗濯機の下に設置されているプラスチック製の板のようなもの)のサイズが小さいために、洗濯機が不安定な設置となり、洗濯の際の振動で、洗濯機が倒れてしまったり、傾いたために水が外部に溢れ続けるという大事故に繋がっています。

事故例3

さらに、排水管(プラスチック製のホース)の品質劣化により水が室内に放水される危険もあります。この場合にも、排水される水の量が多いため、事故が発生した場合は大きな損害に結び付きます。

防止策

このような事故を防ぐためには、洗濯機を使用しない時には少なくとも入口の部分のである蛇口を閉めるようにしましょう。できれば、蛇口を開いたままでの外出は避けたいものです。
また、水漏れ防止用ストッパーが販売されています。これによりホースが外れても自動的に水が止まります。洗濯機の設置の際は専門家による設置に合わせて、折角の機会ですから、防止器具の装着も検討してみましょう。