保険鑑定人(ほけんかんていにん)ってどんな人ですか?

コラム

火災事故の発生

大きな火災事故が発生した場合、火災保険の保険金の請求に関係して、事故の現場に、保険会社の社員ではなく、保険会社から場の調査のために『損害保険登録鑑定人』と呼ばれる専門家が派遣されることがあります。
特に、損害額が高額になると判断される場合などに派遣されます。

 

鑑定人の専門知識

保険会社は、毎日、多くの損害の事故を処理していますが、個別の損害について適正な評価をするため、あるいは事故の原因を確認するためには、専門家の知識を必要とするからです。

さて、この損害保険登録鑑定人とは、不動産の保険価額の算出や損害額の鑑定、事故の原因・状況調査などを行い、保険会社に状況を報告する仕事をしています。
損害保険登録鑑定人は、簡単に言うと「損害額・保険価額算定のプロフェッショナル」であり、公平公正な鑑定を行うことが求められています。

求められる中立・公正な立場

損害保険登録鑑定人は保険会社の依頼を受けて鑑定を行いますが、あくまで第三者機関としての考え方が求められます。
常に中立・公平の立場を貫き、対象物そのものの価値を算定することが求められる仕事です。

鑑定業務は、鑑定人試験に合格しなくても行うことができますが、保険会社が鑑定業務を委託する際、鑑定人試験に合格していることを目安としていることから、実質は、鑑定人試験に合格し、損保協会に登録したうえで、鑑定業務を行っている方がほとんどです。

参考となる鑑定結果、具体例

鑑定人の行う業務は、保険の契約者の方にとって重要です。
例えば、お部屋で水漏れ事故を起こしてしまい、階下にお住まいの方の財産や建物に損害を与えた場合には、被害を受けられた方に、損害賠償をすることが必要ですが、被害者の方の言いなりにお支払いするのではなく、実際の損害額を計算した上でお支払いすることになります。
そんな場合に、損害保険鑑定人の試算する損害額が参考となる数値となります。