保険契約者さまを守る仕組み『再保険』と『保険契約準備金』

コラム

保険契約者さまを守る仕組み

保険会社が事故に備えるために行っている2つの仕組をご紹介いたします。
1つめは、保険会社がする保険契約です。『再保険』
2つめは、保険金支払いに備えるための、安全な会計(利益を控えめに算出する)についてです。『保険契約準備金』

1.再保険

お客様から保険契約を引受けた保険会社(当社)が、事故が発生して保険金を支払ったことにより被る損失を補うために、他の保険会社(再保険会社や損害保険会社)に保険料(再保険料)を支払って保険契約するのが『再保険』です。
再保険は、保険会社の経営の安定と成長のために、事業のリスクの一部分を移転する重要な手段です。
当社は、巨額の損害の際に大きな損失を被ることを避け、安定した経営をするために国内や海外の「再保険会社」と契約を結んでいます。契約は通常、1年毎に引受ける保険契約に関してまとめて行います。

2.保険契約準備金

(1)支払備金

保険金の支払いは、事故のご報告を受けた後に、様々な手続きを経て保険金のお支払いとなります。
しかし、事故の内容の調査や相手方、工事業者様との交渉事など、お支払いまでの手続きに時間を要することもあり、『支払準備金』は保険会社の決算期末までにお支払いしていない保険金について次年度の支払のために積み立てておくものです。
ただし、上記1.の再保険契約で補てんされる金額は積み立てないことが認められます。
また、この他にも、保険会社には事故の報告がされていないけれども、実際には事故が発生していると推測されるものについて、過去の傾向などから一定の準備をするものもあります。

(2)責任準備金

『責任準備金』は、法律(保険業法)により積立をすることが義務付けられています。
その内容は、将来の保険責任に備えて積み立てるものや、大規模な自然災害など異常災害による大幅な保険金支払いに備えるものがあります。

『支払準備金』や『責任準備金』は、毎決算期において、単年度に利益が出たように思える場合でも将来の事故発生に備えて、利益を抑え、その分を負債勘定に計上するものです。