個人賠償責任と連帯責任、受忍義務、過失相殺

事故事例

当社の商品「住まいるパートナー」は、家財保険に自動的に賠償責任保険が付帯されており、そのうち個人賠償責任保険は、主としてお部屋で水漏れ事故を起こし階下にお住まいの第三者に損害を与えた場合の補償を目的としています。
この補償は、この他に、自転車で他人にケガをさせた場合などの日常生活に起因する偶然な事故も補償対象となっています。
(ただし、自動車事故やバイク事故など、危険度が高く保険料が高額となるものは、自動車保険の対象のためこの保険ではお支払できません。)

さて、次のような場合でも保険のお支払いの対象となる場合があります。

《例1》(共同不法行為)

公園で野球の試合をしていたところ、バッターのAさんが場外ホームランを打った際に、近所の家のガラスを割ってしましました。
この修理に要する費用を個人賠償責任保険で支払うことが可能です。
しかし、本来、この事故はAさんが単独で起こしたものではなく、一緒に野球をしていた人たちが連帯して責任を負うべきです。
この場合のような加害者が複数の場合の行為を、「共同不法行為」と呼んでいます。
野球をしていたそれぞれのメンバーが完全にすべての損害を引き起こしている訳ではありませんが、数人が共同して行為を行っているときには、すべての損害について行為者全員に賠償責任を負わせるものです。

一方、スポーツ中の事故で保険のお支払いの対象とならない場合があります。

《例2》(受忍義務)

サッカーの試合中、誤って相手の足を蹴ってしまい、ケガをさせてしまった。
運動競技中の加害行為については、ルールの著しい違反がなく、通常予測され、許容された動作によって発生した結果については、参加者の全員がその危険を受け入れ、承諾している前提のため、法律上の賠償責任が発生しません。
したがって、保険金お支払いの対象になりません。

お互いの責任の度合いを調整する場合

《例3》(過失相殺)

自転車による事故です。Aさんは、歩車道の区別のない道路を、前を歩いているBさんを後から追い抜こうとしたところ、Bさんがふらふらと寄ってきたため避けることが出来ず、Bさんにケガを負わせました。
この場合、事故の状況によりBさんにも責任があると考えられる場合には、その程度によってAさんのBさんに対する損害賠償額は減額されます。

※ここに述べた事例は、あくまでも一般論であり、個別の事故の状況により、賠償の義務の結果が異なる判例もございます。