保険金、災害と税金

保険の知識

2018年の「今年の漢字」が「災」に決まりましたが、それほど2018年は地震、洪水、台風と災害の続く年となりました。

災害の結果、ご自身の資産に損害を受け、個人の方が損害保険金を受け取った際の課税について見ていきます。

 

保険金に関する所得税

所得税法には非課税所得についての定めがありますが、保険金の関係は所得税法施行令第30条に記載されています。ここに記載されているものは非課税所得となります。

所得税法施行令第30条第2号
損害保険契約に基づく保険金で資産の損害に基因して支払を受けるもの並びに不法行為その他突発的な事故により資産に加えられた損害につき支払を受ける損害
家財や家屋などの資産を対象とする保険、すなわち火災保険などで、受け取った保険金は損害の補てんのためのものであり、利得が生じるものではないので非課税となります。

 

損害賠償金と所得税

これは保険金だけでなく、加害者がいる事故により資産に損害が生じ、損害賠償金を受け取ったときも同様に非課税となります。
また再調達価額によって定めた損害の額を受け、時価額以上の保険金を受け取ったとしても、その差額に課税されることはありません。

雑損控除

一方損害額が保険金よりも大きい場合には、要件を充たせば雑損控除として所得控除の対象となります。

〈国税庁 確定申告書等作成コーナー よくある質問〉より
雑損控除とは、災害又は盗難若しくは横領によって、資産について損害を受けた場合等に受けることができる所得控除です。
雑損控除の金額
控除できる金額は、次の二つのいずれか多い方の金額です。
?差引損失額 - 総所得金額等 × 10%
?差引損失額のうち災害関連支出の金額 - 5万円

(注1)損失額が大きくてその年の所得金額から控除しきれない場合には、翌年以後(3年間が限度)に繰り越して、各年の所得金額から控除することができます。
なお、雑損控除は他の所得控除に先だって控除することとなっています。
(注2)「災害関連支出の金額」とは、災害により滅失した住宅、家財などを取壊し又は除去するために支出した金額などです
所得税法施行令第30条第1号では身体の傷害に基因して支払を受けるものも非課税所得として記載しています。

本人だけでなく、配偶者や直系血族、生計を一にするその他の親族であるときも非課税となります。これは、経済的保障に役立ってはいますが、資産の損害に基因して支払を受けるものと同様に利得が生じるものではないからです。
ただし、生命保険や傷害保険、自動車保険により支払われる死亡保険金については、契約者、被保険者、保険金受取人が誰であるかによって、相続税、所得税(一時所得)、贈与税いずれかが課税されます。

詳しくは税理士さんにご確認下さい。