マンションの高層階のベランダで不審火

コラム

マンションの高層階のベランダの網戸が焦げているというご相談がありました。
ご契約者様は喫煙をしないとのことですが、ベランダには確かにタバコの吸い殻が落ちていたそうです。このマンションでは別の住人にも同様な事件が最近発生しており管理会社にも相談されていたようですが、
どうやら上階の住人がベランダでタバコをすった後、火のついたタバコを捨てているのではないかと推測されるとのことです。
住人には掲示などにより注意喚起をしているようですが、このようなことが続くと万が一の場合には大惨事につながる可能性も否定できません。

ベランダでの喫煙のよくあるトラブル

・ 洗濯物にニオイが付着する
・ 24時間換気によって室内に煙やニオイが入ってくる
・ 窓から煙やニオイが入ってくる
・ 落ちた吸い殻による万一の火災の危険性

ベランダでタバコを吸ってもよいか

実は、ベランダでタバコを吸ってもよいかどうかは、マンションの管理規約や使用規則によって決められています。
マンションのベランダは「共用部分」とされています。
共用部分は、個人の部屋とは違い、廊下やエントランスのように居住者みんなで使うエリアという認識です。
そのため、管理規約などに「共用部分での火気厳禁や喫煙禁止」のように明記されている場合は、ベランダでの喫煙は禁止となります。
賃貸物件の場合は、賃貸借契約書や入居のしおり等に禁止事項として記載されていることが多いです。

ベランダ喫煙をめぐる裁判

マンションのベランダで喫煙する問題を考えるにあたり、よく取り上げられるのが2012年12月13日に名古屋地方裁判所で下された判決です。
マンションの下の部屋に住む住人がベランダで喫煙を続け、上の階の住人が受動喫煙による体調悪化を理由に訴訟を提起。
再三の注意を受けたにも関わらずベランダでの喫煙を続けた経緯なども考慮され、不法行為として認められました。

一方で集合住宅に住む特殊性から「原告も煙の流入についてある程度は受忍すべきだ」という意見もあります。

喫煙者の取るべき解決策

一般的な紙巻タバコから、加熱式タバコや電子タバコといった「次世代タバコ」に切り替える方法があります。
いずれも煙の代わりに水蒸気を吸い込むタイプで、ニオイや有害物質の発生を軽減できると言われています。
受動喫煙による影響がゼロになる訳ではありませんが、状況を改善できるでしょう。
合わせて、空気清浄機などを使用することをおすすめします。